2015-10-29

沖縄の魅力と課題

沖縄はとても素敵な県です。

「〜しときましょうね。」という穏やかな口調(この独特のイントネーションまでは文字でお伝えできないのが残念ですが、柔らかで耳にとても心地よく響きます)と優しい人柄、郷土に対する愛情、伸びやかに育つ子供達、イノーに囲まれた美しい海岸線、恵まれた気候(台風を除き)、数えあげたらきりがありません。


都道府県別府県別東経とランキングで見る県民性というサイトに各県のベスト&ワーストというページがあります。沖縄県はこちらです。

もっとも喜ばしいのは、子供の数がベスト1というところでしょうか。子供を生み育てるのが盛んということは、今の日本は、貧しくて、労働力として子供を多く生む、という時代ではありませんので、実は隠れた幸福度の指標の一つなのかも、と思っています。
良く耳にする、全国でも幸福度トップ、という話と符合しています。

一方、沖縄の課題として語られるのが「長寿県」というかつてのイメージとその衰退。今や、残念ながらメタボ率でトップになってしまったらしいのです。

本土復帰後の日本食へのシフトを原因とする意見が多いようですが、やはりこちらに来て一番気になるのが、揚げ物や油を多用したボリュームある料理の多さでしょうか。暑い地域だから高温の油を使って料理することが多いという理由も分らないわけではありませんが、油の多用とボリュームの多さによるカロリーの増加は想像を超えます。その結果、特に外食では、量も脂肪も多いメニューが当たり前になってしまっているように感じます。

一例を挙げましょう。沖縄そば自体は汁にも油が少なく、本土のラーメンと比較しても低カロリーだと思いますが、沖縄で定番になっている「そば定食」は、普通のごはんにおかずといった定食に加えて、沖縄そばもついてくるので、実質的に2人前のボリュームですよね。さらに、油みそをご飯に載せて・・・。
先日は、唐揚げ付きのそば定食、唐揚げに何故かたっぷりマヨネーズをかけ、キャベツにもマヨネーズ、大盛りご飯に油みそを載せて食べている方を見かけましたが、これでは一食で2000キロカロリーをゆうに超えてしまうかもしれませんね。

そば定食は、安くて美味しく、お腹を十分以上に満たしてはくれるのですが、健康を考えると少し再考の必要なメニューなのではないかしら、と、ついつい心配してしまいます。

また、沖縄の皆さんの大好物、沖縄式天ぷら・・・。和食の天ぷらと異なり、フリッターのような感じ。しっかり味のついた衣がたっぷりついていて、これはこれで大変美味。私も大好きですが、一個のボリュームが凄い。私は大体半分で充分満足してしまうのですが、これを2つも3つもペロッとおやつ感覚で食事以外に食べてしまう、という人も沢山います。市販のお弁当にはこの天ぷらと唐揚げが大抵入っています。それ以外にも油で炒めたお肉や野菜などたっぷり入って500円しない、とか。

それだけでなく、米国型の食生活(大型のハンバーガー、ステーキ、とても甘いお菓子、ケーキ、など、美味しいのですけれど、どれも量、カロリーが多い)の定着してしまった時代もあり、メタボ対策と長寿の復活は本当に沖縄の大きな課題のようです。今では、沖縄でも盛んにメタボ対策キャンペーンを始めてはいるようですが、恵まれた環境の中でのビーチパーティー大好き、楽しく食べ飲み遊ぶ機会の多い沖縄、その効果が出るまでの道のりは結構長いかも、と感じる事もあります。

ただ、最近沖縄では、80代以上のおばあ達の食生活がもっとも健康的なものだったと、再評価され始めています。こうした認識を広く浸透させていくことが一番の近道なのかもしれませんね。80代、90代の超元気なおばあ、おじい達が最も良い身近なお手本、ですものね・・・。「健康長寿の県、沖縄」の復活が一日も早く訪れるよう、私も仕事を通じて少しでも貢献できたらなあ、と思うこの頃です。