2014-04-20

清明祭の季節

清明祭とは、4月上旬から中旬にかけて行われる、墓前に親族が集まり、酒・茶・お重を供えた後、皆でご馳走をいただく、という沖縄の家族の大切な行事の一つです。


(写真は沖縄県花卉園芸農業協同組合のブログから)
祖先の供養という意味合いもありお盆に少し似ているようにも思いますが、こちらの友人達によると、お盆よりももう少し明るく楽しい家族親族の交流会、Okinawan families' picnicsと訳される通り、お墓の前で親族が集まってピクニックを楽しむという色彩が濃いようです。私達の住む新城の字では、今年は4月6日が清明祭(シーミ-祭)となります、と張り紙が出ていました。昨年、初めてこの祭りの名を耳にした時にはシーミーと言われても意味も分らなかったですし、一体どんなお祭り?と、思ったものでした。でも、清明祭とはなかなか良い名称ですね。

清明:二十四節気の一。三月節気。太陽が黄経15度に達した時をいい,現行の太陽暦で4月5日頃にあたる。万物清く陽気になる時期という意。一方、清く明らかなこと。清らかで,曇りのないさま。「―な月影」「天地―なり」

朝市でお花を買うと、シーミーだからねと、言われますし、スーパーもシーミー用のお惣菜を色々用意しています。

ここのところ、気温もかなり上昇して、平均気温で20度を越えました。気がつけば、5月の連休は目前です。寝苦しい季節もそう遠くなさそうです。


黄経:黄経は太陽の通り道を基準とした経緯です。基準点は春分の日(昼と夜が同じになる日、つまり赤道と黄道が交差する日)がゼロで、0から360度までで表示します。15度ということは、春分の日(3月21日)からほぼ1/24(15/360)ですから、ほぼ15日が経過した日(4月5日)です。

2014-04-19

畑がやってきた

わずか一畳程のスペースですが畑ができました。


近所で地元の新鮮野菜が購入できるので、それらの野菜とかぶらないよう、しそ、パセリ等の香草やハーブ、台所で少量だけ必要なものを庭に植えたいなと思っていました。

昨年は庭の一部に野菜を植えていました。でも雑然としていたため、レンガ等で畑部分を囲もうかと言ったら、夫が早々に木枠を作ってくれました。それが、ほぼ2週間前のこと・・・。

でも、気がついたときには、ミニトマト、茄子、オクラ、ニラの苗が植えられていました。この木枠は自分のため? 私も、遅ればせながら、シソ、パセリ、レモンバーム等の種を蒔きました。そして、もうこの2週間で芽が出始めました。
種は芽を出し、茄子は花をつけ、ミニトマトは実をつけ始め、
2週間でこんなに変化しました。

農業用の暦を見たら、これらの植え付けの季節はなんと2月だそう。4月の植え付けではかなり遅いのですが、それでも今年も、季節や自然の変化を、そして植物の成長を通じての喜怒哀楽を色々楽しめそうです。
連休が近づいていますが、沖縄では連休が終わればもう梅雨。
今年も、梅雨にはそこらじゅうカタツムリだらけとなり、育った野菜達を食い荒らすのでしょうか。早めに対策を施さなければ、と思います。

2014-04-15

イソヒヨドリの友情

あまり鳥に関心がなくても、「ヒヨドリ」は比較的良く目にされているのではないか、と思います。

季節になるとやって来てまた去っていく「渡り鳥」ではなく、最近は「留鳥」として一年中住宅地などにも姿を見せますから、「ヒーヨ、ヒーヨ」という特徴ある囀り(名前の由来でもあるようです)と共に、その姿を目にしている方は結構おいででしょう。

鳩よりは小さくスズメよりは大きい、背側は灰褐色がかった羽毛、お腹に点々模様のある果物や花蜜大好きな、鳥さんです。

秋には柿をついばんだり、冬には寒椿の蜜などを好んで庭先を訪れますので、写真にも撮りやすく、また好奇心強く人見知りしないものもいたりしますから、親しみやすい野鳥の一つと言えるでしょう。
初めての庭で親鳥を待つ、巣立ったばかりのヒヨドリ。
まだ産毛が目立ち、飛ぶのもおぼつきません。他の鳥が
水浴びしているので興味があって水場へ近づいたものの、
初めての水が怖くて二羽で固まってしまいました。
神奈川に住んでいた当時、春先に母鳥が巣立ったばかりの二羽の若鳥を我が家の庭に毎日のように連れてきていたことがありました。そのおかげで、ヒナ達が一人前になるまでの教育を母鳥が懸命に施している様をひと月近く、つぶさに観察出来ました。

ヒヨドリ母さんの子育てドラマを毎日ワクワク、ドキドキしながら楽しんだものです。

その詳細もいつかここでご紹介したいなあ、とは思いますが、今日はこのヒヨドリと名前の似ている「イソヒヨドリ」について、です。

ヒヨドリにイソが付いている位ですから、間違いなくヒヨドリの仲間だと思い込んでいたのですが、これは大きな間違いでした。分類上、共にスズメ目ではありますが、ヒヨドリはヒヨドリ科。一方イソヒヨドリの方はツグミ科だそう。大きさはヒヨドリよりほんの少し小さい、といったところ。オスは灰色がかったブルーと赤褐色の混じった羽毛で、決して派手な色彩ではないですが、見た目ヒヨドリよりは若干綺麗?といえるかもしれません。メスはヒヨドリに似て地味な色彩です。

沖縄の家の傍にはシロガシラと共に、このイソヒヨドリが沢山います。もっとも私はこの同じ鳥を伊豆でも見かけていますから、イソヒヨドリの生息範囲は決して亜熱帯地方に限ったものではありません。
伊豆のイソヒヨドリ(オス)、川を見つめて、餌を探しています。
(冬の河津川河口)
ただ、少なくとも私個人は神奈川で見かけたことは一度もありませんでしたので、当時はヒヨドリほど馴染みのある鳥ではなかったのですが、ここでは、ヒヨドリに替わってこのイソヒヨドリが我が家のお馴染みさんになった、というわけです。

このイソヒヨドリ、姿も若干ヒヨドリより綺麗ではあるのですが、一番の違いはそのさえずり。「ヒーヨ、ヒーヨ」を繰り返す、ちょっと単調なヒヨドリの鳴き声に比べ、イソヒヨドリの鳴き声はバリエーション豊か。そしてその高く澄んだ声はシロガシラに負けず劣らず高貴で美しい。近くで毎日のように耳にしていても飽きることなく、思わず聞き惚れてしまいます。

高らかな囀りに、間違いなく当の本人も酔いしれていますね。ちょっと誇らかに、清々しく…。
ちょっと一休みしようと、我が家の前の電線に止まったところ。よくここで暫し寛ぎます。
で、それだけでなく、このイソヒヨドリの中にはなぜか、ヒヨドリ同様、とっても好奇心旺盛で人懐っこい子がいるのです。

以前にも書いたのですが、のけぞる程鼻先すれすれに飛び降りて、足元1メートル先の地面から顔を見上げて初対面の挨拶をしたり、庭で草むしりなどしていると、50センチ程先のフェンスに止まり、突如囀りを始めたり…。まるで、「ね、どう、僕のさえずり。なかなか綺麗でしょう。友情の印に演奏するから楽しんでね」と言わんばかり。

「いい声ねえ。惚れ惚れするわよ~」と声をかけると、逃げるどころかますます喜び、歌に精を出してくれます。

また、先日は、目の前でバッタのような虫を捕まえ、口にくわえたままフェンスに上ったり、地面に降りたり。「おいしそうね」と話しかけると、手の届きそうな距離でこちらを向き、「どう、すごいでしょ。こんなの捕まえたよ。見て見て!」と、くわえたバッタを自慢げに見せびらかすのです。

うーん、君は一応野鳥さんなのでしょうけれど、人がとっても好きなのでしょうか?サービス精神旺盛で愛嬌たっぷり…。

フフフ、こんなところは沖縄の子供たちとも何だかそっくり・・・。

野鳥の中には、人に興味と関心を持つだけでなく、交流したいと思うものも僅かながらいるようです。そんな素敵な出会いがあると、本当に可愛く、なんとも心が温まりますね。

2014-04-12

うりずんの季節に入って

昨年4月初めに越してきた際は、殆ど毎日のように雨、雨で、まるで梅雨かと思う程だったのですが、今年は去年と比べると、爽やかな日々が多いようです。

花もだんだんと増え、庭の緑も爽やかな初夏の雰囲気に
雨模様の日も時折はありますが、美しく晴れ渡り、さほど暑くも寒くもなく穏やかな風のそよぐ、本当に心地良い日がここ数日続いています。

家から臨む海の色も、明るい南国の日差しを受け、もうコバルトブルーの鮮やかさがすっかり蘇り、イノー(サンゴ礁)の白波もくっきり見えます。
具志頭城跡から港川方面を望むと奥武島やその周辺に広がる美しい海が
「沖縄の一年で一番良い、うりずんの季節到来」、という表現をつい最近どこかで見た様な気がするのですが、沖縄では春分から梅雨前までが初夏。これを若い夏=うりずんの季節と呼ぶのだそうです。

本当にそんな感じがふさわしい、と今年は実感です。昨年の多雨は、きっと例外的なものだったのかもしれませんね。

早朝には、シロガシラやイソヒヨドリといった鳥達のさえずりが、幻想的な程美しく響き、聞くものの心を酔わせます。

日が完全に暮れるのは、四月のこの時期で既に7時過ぎ…。この時間になると、遠くから時折三線の音が響き、ウシガエルや猫の鳴き声も交じるなんとも長閑~な喧騒が…。
夜の散歩も、とても寛げます。

見上げれば満天の星空、思わず両手を広げ大きく深呼吸。


今日もいい一日だったな~、と思う瞬間です。

施術室の窓越しの爽やかな緑にも癒されます。


2014-04-01

奥武島の不思議な感覚

奥武島を訪れると、なぜか、時がとてもゆっくり進んでいるように感じるのは私だけでしょうか。

これは、遠い昔、まだ幼かった頃の感覚なのでしょうか、まるで時の止まった空間に自分が居るような錯覚に襲われます。

自由気ままに遊んでいる猫や犬があちらこちらに居るから?それとも、ノスタルジックな建物があるからでしょうか?

海辺のパーラー、「あだんの実」が今日は開いていました。日差しの弱まった
夕方に奥武島を訪れると、大概閉店した後、なのですが・・・。
忘れかけていた何かが身体の底から蘇ってくるのかもしれません。


ここに身を置いているだけで、いつの間にか身体の力は抜けていき、ふわーっとした心地に。そして気が付けば、心身の深~いところまでリラックス。そしてリフレッシュ・・・。

本当に不思議ですが、いつ来てもこの環境には心底癒されてしまいますねえ。

ここで食べる沖縄そばの味は他とさほど変わりはしませんが、その価格は、現代とは思えないノスタルジックなもの。「え!いまどきこんな値段でいいの?」と…。

今日は天ぷらではなく、あだんの実の沖縄そばを頂きました。

特に意味はありませんが、お花がきれいだったので。

少し寒くもあったのですが、冷たい「ぜんざい」もいただきました。

はだ寒いのでダウンを着て、日傘をさしつつ
食べ過ぎ解消の為、少し島内を散歩です。

まだこの季節には、潮溜まりの
魚も、ヤドカリもあまり目にしません。
磯の生き物達の活動が活発になるのはもう少し先のようです。