2014-02-28

玉城城跡のたそがれ

日の沈み始めるたそがれ時に玉城城跡を訪れました。

階段を登るときには、まだ明るさがあったのですが、下るときにはもう真っ暗闇の中という状況でした。

でもさすがこの時間帯です、愉快な遭遇がありました。

東シナ海の夕焼け。奥武島が夕闇に沈んで行きます。この後にハプニングが。 
 そう、下の写真を撮影していたとき、何やら西から飛んでくるものがあり、頭上をかすめるようにして、鳥のようなものが南側の木に引っかかりました。そして、パタン、パタンと板を折り畳むような大きな音がするではないですか。

よく見ると、すぐ目の前で、キツネのぬいぐるみのような愛らしい顔の大コウモリがかぎ爪を枝にひっかけ、ぶらんぶらんとぶら下がっています。パタンパタンというのは彼(彼女?)が大きな黒い羽を急いで畳んだ音でした。
恐らく、夜行性のオオコウモリにとっては、この時間帯は目覚めたばかり。さあ、朝ごはんを食べに行こう、と、寝床から飛び出てきたところだったのでしょう。そこで、何やら大きくて動くものに鉢合わせしそうになって、ビックリ。急遽近くの枝にぶら下がり、急いで羽を畳んで、うまく身を隠したつもりだったのでしょうか。
で、そこからこちらのうごきをしっかり伺っていた様です。
私がカメラに収めようとしていることに気がついたこの大コウモリ、畳んでいた大きな翼をまた開き、今度は遠くへと飛び去ってしまいました。

驚いたのは私の方だと思っていたのに、コウモリも同じように驚き、それでもすぐに慌てて飛び去らず、とりあえずは目の前にある枝にぶら下がって大きな音を立て羽を畳んで、うまく身を隠したつもりで様子を見る、という、このバレバレの行動が何とも愉快で微笑ましく、彼が飛び去った後、私は失礼ながらも暫くくすくすと笑いころげてしまいました。

玉城城一の郭の入口は下界への穴、東の空がまだ残光に輝いて見えました。
ここでお目当ての美味しい朝ごはんを食べようと、わざわざ遠くからやってきたのかもしれません。なので、彼としては、直ぐには退散せず、ちょっと勇気をもって留まる、という事をしたのかも…。笑った後で、かわいそうなことをしてしまったかも、と思い至り、早々に立ち去ることにしました。

玉城城跡の一の郭入口、こんな時間に来る事は
あまり無いと思い、お月さんのような写真を撮ってみました。
葉を落とした木々は、神秘的で幻想的、林そのものが神様のようでした。
私にとっては、黄昏時のちょっとした冒険でした。でも、こんな時間帯に来るのは、他の生き物たちにとって少々迷惑だったのかもしれませんね・・・。




2014-02-27

春真っ盛り

暖かくなったり寒くなったり、気温は上下していますが、関東から越してきた私の感覚では既にここ沖縄での冬?のような季節(?のような、を付けたのは、結局私は、沖縄の冬らしきものを「冬」とはついに実感できずに終わったからです)は去り、確実に春の季節が始まっています。

ハイビスカスやブーゲンビリアが咲き始め、雑草がすくすくと急速に成長を始めました。



晴れ間が多くなり、景色も明るくなってきました。雲の量が減り、日差しも強くなってきたことで、空が明るくなり、この空を写す海の色もコバルトブルーになりつつあります。

今日は、車の窓を閉めていると暑い、と感じる程の気温でした。

関東なら、4月末から5月の気候ではないかと思われる程で、紫外線も強くなってきています。

そう、少し脱線しますが、この紫外線、むろん沖縄の梅雨明けから11月頭くらいまではかなり暑い日も続き、日差しを見るだけで紫外線の強いのも明らかなため、特に女性の皆さんは日焼け止めなど塗ってお肌の防衛をしっかりなさっている方が多いのですけれど、12月以降から梅雨入りまでは、結構油断されて、逆にこの時期に無防備に日焼けしてしまう方が多いのだそう。
このシーズン、やはり日差しは和らいで感じられますが、紫外線量は、それに比例して、十分少なくなっているというわけではないようですので、白いお肌をキープしたい方は、どうぞご注意を。


実は先日、所用でたまたま関東に行き、大雪と凍てつく寒さの洗礼を受けました。ここに戻って来ると、それがまるで嘘のよう・・・。「うーん、ありがたいなあ」、とつくづく思います。

こちらの2月には、確かに少し寒いと感じる日もあるにはありましたが、実際には日差しはかなり暖かく、草木の変化を見ていれば、2月上旬から桜が咲き始めているように、もう春が来ていることは明らか。私は、実は日差しの変化には結構敏感で、関東にいても2月に入ると日差しが明るさを増してくるのが良くわかり、「二月は気温は一番寒いけれど、日差しだけは既に初春を迎えている」、と実感していたのですが、ここ沖縄では、二月末には日差しのみならず気温も正真正銘「春」、それも初春などあっという間に通り越し、春真っ盛りです。

寒くなってきたかしら、と少し感じた12月と1月でしたが、寒いというより、肌寒い程度だったというのが本音でしたので、亜熱帯沖縄にはやはり、本当の意味での「冬」はない、という事なのでしょうね。ただ、12月以降一時期減っていた地元産のお野菜などが最近また増えてきているので、地元の農業では、一度リセットして新シーズンに備える、という意味での「冬」シーズンというのはあるのかもしれません。

今も暖房なしの室内で、24度あります。それに、程よく雨が降るので関東の冬のようにピリピリと乾燥する、という事も無し。紫外線には要注意ですが、「冬の肌荒れ」はほとんど起きそうにありません。これも嬉しい発見です。






2014-02-12

カンヒザクラ

先日も書きましたが、沖縄は今、桜の季節です。

カンヒザクラを見に八重瀬公園に行ってきました。

八重瀬岳の上に行く程、花が少なくなっており、風を受けるところにある高台の桜は枝も少なく、かなりダメージを受けていることが分かりました。

沖縄では、桜も台風の影響を大きく受け、生き延びるのが大変なんだなあと。強風や塩害の影響を受けながらも、苦労してやっと咲いたんだなあと、けなげに花をつけている桜がとても愛おしくなりました。



カンヒザクラが質素に咲いていました。
 でも、それだけでなく、良く見ると実は葉も出始めています。

そういえば、山の木々も新しい葉をつけ始めているため、淡い緑があちこちにあるではないですか。常緑の木々が多いので注意深く見ないと分かりませんが、2月に入るともう新緑が始まっているのです。この状況は関東地方なら、3月末から4月の初めでしょうか。

どうりで、気温が20度を超えることがあるはずです。やはり、沖縄の真冬の二月は「春の花」の季節なのですね。

雨が多いことも、植物の成長にはプラスです。


花の付き具合は木によってまちまちでした。

ほぼ同じ時期に伊豆の河津川の岸に咲き誇る河津桜と比べれば比較にならない程質素ではありましたが、とても愛らしい桜が好きになってしまいました。

雨が多くて開放感はありませんが、いつのまにか「春」は来ています。

2014-02-11

勝連城

今日は久しぶりの晴れ空になりました。

大雪の東京に比べれば寒さとは言えないかもしれませんが、先週は20℃を超えていたため暑い程だったのですが、昨日は15℃前後になり、かなり肌寒く感じます。

石垣が凛として聳える勝連城の景色はとても大きく見えます。

勝連城は何度も行こうとしてなかなか寄れなかったグスクですが、2週間程前にやっと訪れることができました。
勝連城跡は世界遺産の一つ、沖縄の歴史観光の人気スポットです。空に向けてそびえ立つような姿は、たしかにとても魅力的。そして、特筆すべきは、ここは石組みのグスクがあるだけでなく、そこで起こったストーリーにもとても魅力のあることです。

お話の主人公は、尚王朝に楯突いたという意味で、逆賊扱いされていた勝連城最後の按司 阿麻和利です。でも、ここには逆賊ではない、英雄としての阿麻和利の伝説が生きています。

権力闘争に負け長い間逆賊として扱われてきた阿麻和利が、長い時間を経て地元の英雄として再び評価されることは、我々庶民の判官びいきを刺激しますね。”悪人”として言い伝えられて来た人物が、実は権力にとって不都合な人間だったために、悪人扱いされてきた。逆に、歴史上のいわゆる「英雄」が実はとてつもない悪人だったということもありそうな・・・。

案内所の冊子に紹介されていた、うるま地域の中高校生で演出されるという現代版組踊「肝高の阿麻和利」は是非観劇してみたいと思いました。でもまずは、小説「十踏揚」をもう一度読んでみたいと思います。

あまり歴史の残っていない沖縄のグスクですが、ここには勝連城最後の按司のストーリーとはいえ、生きた人間のストリーがあり、それを大切に育てています。

観光が大きな産業になっている沖縄です。訪れた人々に楽しんでもらい、豊かなイメージを持ち帰ってもらうためにも、グスクにまつわる歴史をもっと掘り起こし、生きた歴史としてこのように大切に育てて行くのは重要な事じゃないかしら、と、僭越ながらもちょっと思ってしまいますね。

この大きな石垣の割には、登ってみると、
建物跡はとても質素に感じます。
ここの階段の急さは想像以上でした。